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『今はもうない』の感想

2011年06月08日

今はもうないを読み終わった。たまたま図書館で見つけ、裏表紙にはこのように書かれていた。

電話の通じなくなった嵐の別荘地で起きた密室殺人。2つの隣り合わせの密室で、別々に死んでいた双子のごとき美人姉妹。そこでは死者に捧げるがごとく映画が上映され続けていた。そして、2人の手帳の同じ日付には謎の「PP」という記号が。名画のごとき情景の中で展開される森ミステリィのアクロバット!

これはもしや本格的なクローズド・サークルではと思い早速借りて読んでみたのですが、予想を裏切られた(悪い意味ではない)。

自分はクローズド・サークル好きで個人的にはそして誰もいなくなった殺しの双曲線のような物を期待していたのですが、中盤の初めくらいまではまさしく嵐の中の別荘なのですが、途中から警察は乗り込んでくるやら、終盤が恋愛小説のようになっているやら、まさしくなぁにこれぇですよ。

正直よくわからなかったので調べてみるとS&Mというシリーズ物の第9弾で、そもそもS&Mシリーズを読んでいないとおもしろさは半減だそうです。更には別の感想ページには

一発勝負。

いろんなところで言われていることですが、お願いですからこれまでのS&Mシリーズ作品を読まずにこの本から入るのはやめてください。

とりあえず読んでおいて、またほかのシリーズ読んでから再読すればいい……なんて思わないように!!

一発勝負なネタが仕込まれています!!

なんというかネタバレにならないようにかな〜り遠回しに申しますが、この作品には、ミステリには良くある仕掛けが施されているのですが、これがシリーズ未読者にとってはなんの意味も持たないという恐るべき仕様なのです。

まじで作品の価値の8割方なくなっちゃいますので!!

とまで書かれている。そんなことは露知らずにがつがつと読みきってしまった。勿論自分はS&Mシリーズを読んだことはない。こっちは本格クローズド・サークル物だと思って読んでいるので、通りでかみ合わない筈だ。

ただこの事件のメインとなっている密室トリックは完全にだまされた。途中までどいつが犯人だと血眼になって探していたのに、まさか推理の土台が違っていたとは。

本格クローズド・サークル物ではないことは確かだと思われるが、悪い作品ではないと思う。それにしてもどういう理由で西之園嬢は結婚を決断したのだろうか。作中の中ではそれは、今でもミステリィだからねと片付けられてしまったが、約束を律儀に守るというだけではなさそうだ。