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大島薫さんとミシェルさんの交際から学ぶ性のカテゴライズとスペクトラム

2017年06月28日

久しぶりに長文の文書を書きました。内容がめいぽではなく申し訳ないです。今回性についての奥深さを改めて知るとともに、性の分類についての考えが爆発したため少し記事にしてみました。本当ならば論文などを参照したほうがよいのでしょうが、大した知識もないため私の今現在の認識をそのまま記事にしました。現状を反映していない部分があるかもしれませんが、ご了承ください。


つい4日前に大島薫さんとミシェル(リンドル星川)さんが交際をスタートするツイートを目にした。2人とも男の娘AV俳優の経歴の持ち主である。始めに断っておくが、私はこの2人が出演したAVは見たことがない。全く面識の無いカップルなのだが、このツイートには衝撃を受けた。

本日6月7日で28歳の誕生日を迎えましたのでご報告がございます。こんな見た目で男性のボクですが、男の娘の彼女ができました。ボクら2人にはこれから先色々な問題もあるのでしょうが2人で素敵な未来を作っていこうと思います。ちなみにそんな男の娘の彼女がくれた誕生日プレゼントは首輪でした。 pic.twitter.com/e2Zyx2FoUp

− 大島薫 (@Oshima_Kaoru) 2017年6月7日

まず私は男の娘というジャンルに疎かった。以前から名前程度は聞いたことがあるが、何処かで盛り上がっている程度の認識でいた。調べてみると女性と見間違うくらい綺麗な男性、もっと言えば女装した美少年に近いようだ1

では2人はMTFなのか?答えは否。ミシェルさんについては詳しく分からなかったが、大島さんの性自認は男性だと自ら述べている2。では大島さんにとって男の娘とは何なのかというと、オートガイネフィリアではないかと暗示している3。性的指向は大島さんはパンセクシャル、ミシェルさんはバイセクシャルである4

上述の交際ツイートを見た後、2人を調べていく内に、改めて性の奥深さ、幅の広さを学んだ。それと共に性愛について今のままでの分類でいいのかという疑念生じた。今回私が受けた衝撃は性愛について何でもかんでもカテゴライズしていく中で、どうにも私自身視野狭窄になっていた、それ故今回のツイートで性の奥深さを再認識したことによる気がしてならないのだ。

元々カテゴリーについての疑問はあった。例えば異性愛や同姓愛では本人の性自認と相手の性についての関係だが、その本人がXやクィアの場合はどうなるのか。また既存のカテゴリーでは性愛の関心度を測るのができなかった。性愛があるからといって、皆が皆一様ではない。好色な人もいればそうでない人もいる。だが、性愛の関心が有る(主に○○性愛と名前が付くものである)か無い(即ち無性愛)かの0か1であった。

更に今回の気づいた問題が、2人とも男の娘であることだ。私の目からは外見上2人とも女性より女性らしく見える。しかし彼らは男性、当然アソコもあるわけだ。ここで疑問が生じる。異性愛や同性愛において相手の性は何によって決定するかということだ。生物学的な性、性自認、服飾などの外見的な性、どれか一つに決定しても直ぐに反対論が飛んできそうだ。また性自認の場合は前述の問題と同じようにXやクィアの問題が残る。また男の娘を男性でも女性でもなく男の娘として捉えることも可能なわけで、それを敢えて名付けるなら、男の娘性愛となるわけだ。

今までの基準に囚われていると男の娘というのは性的嗜好にも思える。しかしそれを愛する人々が第3の性として見ていた場合、それは新たな性的指向なわけだ。つまり性的嗜好にも思えるものも、当人たちには新たな性、つまり性的指向として写っている可能性は有る。性的指向と性的嗜好は別物としてカテゴライズされているが、それが正しいのかについては疑問が残る。

以上のような問題点を見るに、どうにも性愛の分類が上手くいっていないように思われる。またこれは分類の本質的問題ではないのだが、カテゴライズすることによるイメージの問題も有る。例えばTV番組でゲイやレズビアンを特集するとき、出演者はやたら経験豊富だ。それもそのはず、そういった話が聞きたくて製作者側は経験豊富な方々に出演をお願いするわけなのだから。見ている方にはゲイやレズビアンについて好色なイメージを抱くが、当然全てのゲイやレズビアンがそうであるわけではない。もっと酷い例になると、バイセクシャルの女性に対して男性側が、女性2人と男性1人の3Pを持ちかけるそうだ5。バイセクシャルが好色で3Pに寛容かは人それぞれだろうに。

では性愛についてカテゴリーより優れた、尺度はあるのか。全てを解決する方法ではないが数値で図る方法がある。

そもそも性愛というのは0か1ではない。右もあれば左もありその中間も有る。ならば項目ごとにその幅を設けて自分の立ち位置を数値化すればよいのだ。例えば「貴方は男性に興味はありますか」という質問に0は「全く興味がない」、反対に1は「非常に興味がある」とし、0と1の間で少数を用いて答えを出す。要は5段階アンケートと同じだ。これを一先ずここではスペクトラムと名付けておこう。

スペクトラムでは「男性への興味」、「女性への興味」、「性愛の関心度」などを数値化していく。項目となる変数は多ければ多いほどより多様な性的指向を表せる(恐らく無限の変数があるであろう)。回答に幅を持たせ、変数の数を増やすことによってカテゴライズよりも正確な性的指向を表せる。

またスペクトラムは数値化しているため統計的に扱いやすいというメリットもある。伝説ではあるがWal-Martがビールと紙おむつの相関関係を発見したように、性においても新たな相関関係が発見されるかもしれない6

勿論スペクトラムにも欠点がある。1つに回答の幅か主観的という問題だ。例えば「性愛の関心度」を0から1で数値化するとき当人は周囲よりも関心度高いと思っていても、周囲の人間の関心度が低すぎたため、当人も本当は関心度が高くないにも関わらず、数値としては関心度が高くなってしまうことが考えられる。

更に問題点はある。各種項目が数値化されたとしても、人間は瞬時にその数値を読み解いて性的指向の傾向を判断はできない。この点においてはカテゴリーは優れている。というのもカテゴライズされ名前付けされるというのは、それについてのイメージを作り、意思の疎通を容易にするからだ。実際にデミセクシャルという言葉を知って救われたと言う人もいる7。本来であれば数値化された上にカテゴリーというレイヤーを乗せるのがよいのだが、現実はそうなっていない。

自分の性的指向を数値で表すことは殆ど行われていない。自分は○○性愛者であると言うのが一般的だ。となると現実がそうである以上、不完全なカテゴリーを用いるしかないのか。その前に心に刻んでおかなければならないことが幾つかある。性的指向は無限の多様性があること、そのうち実際のカテゴリーはほんの僅かな部分であること、どのカテゴリーにも該当しない人がいることなどだ。現在のカテゴリーが全ての性的指向を表していると思うところから視野狭窄が始まるのだと思う。何処にも当てはまらない人を、何処かに押し込めようとしてもそれは無理というもの。

であるからしてベストな方法とはいえないが、現実的にはカテゴリーを増やしていくしかないのではないのか。幸いになことに今はインターネット上で次から次へと用語が作成されている。カテゴリーが増えることによって複雑になるという意見も尤もだが、無限の多様性に対してカテゴリーの数は今でも少ないと思われる。

実際に広く流通するかは別にして、性愛のカテゴリーを作成するのは誰でもできる。そのカテゴリーの範疇と分りやすい名前をつけるだけだ。自分の性愛が既存のカテゴリーとはどれとも違う思うならば、是非とも新たなカテゴリーを作成してほしい。もしそれが世界に自分1人しか該当しなくとも、決して無駄ではない。無限の多様性を埋めるには程遠いが、それでも少しずつでも埋めていこうではないか。


  1. 第5回 ちんこの生えた女の子を求めて - 2CHOPO コラム

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  3. 大島薫 - Wikipedia

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